@パスポーツ・フォー・ビットコイン

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http://passportsforbitcoin.com/

仮想通貨の世界で「ビットコイン・ジーザス(救世主)」として知られるロジャー・バー氏は、人々を天国に導くことはできないが、天国のようなカリブ海の島に連れて行ってくれることは可能だ。税金がほとんどゼロのこの島国へのパスポートを新たに手に入れるのを手伝ってくれる。
かつて米国籍を持ち、元受刑者のバー氏(35)は資産家であり、自称リバタリアン(自由至上主義者)。爆発物の販売で服役した経験のある同氏は、ビットコインでパスポートが買えるサイト、パスポーツ・フォー・ビットコインの創設者だ。ビットコインで買えるモノやサービスは、ローマでのホテル宿泊や東京での着物、米国でのケーブルテレビ(CATV)視聴など拡大し続けているが、バー氏はここに市民権を加えようとしている。
買えるのは、米マイアミから飛行機で約3時間の距離にあるミニ国家のセントクリストファー・ネビスの市民権だ。2島から成る同国は1984年から「投資による市民権付与制度」を実施している。同国の不動産に40万ドル(約4080万円)を投資すればパスポートがもらえる。個人所得やキャピタルゲインへの税金はかからず、このパスポートで120カ国にビザ(査証)なしで渡航できる。
バー氏のウェブサイトは、この楽園の市民権をビットコインで買う方法を英語とロシア語、中国語で説明している。政府による現金取引制限でがんじがらめになっている投資家を手助けできるだろうとバー氏は話す。
バー氏は今月、六本木ヒルズの51階にあるラウンジでの集まりで、「外国への支払いをする最も簡単な方法はビットコインだということを、来月中国に行って説明してくる」と語った。
渡航不要
クルーカットに黒のポロシャツとスラックスという服装のバー氏は、伝道師というよりは家電量販店の営業員のように見えた。それでも師とビットコインについて語り合うため集まったゴールドマン・サックス・グループの元デリバティブトレーダーやハッカー、プロボクサーなどと自己紹介した信者たちはバー氏の言葉に熱心に耳を傾けていた。
バー氏は「セントクリストファー・ネビスの政府は米国に比べてはるかに自由至上主義的だ」と言う。「だから、早くからのビットコイン信奉者らは皆、十分な金があれば、米国よりはセントクリストファー・ネビスの国民になりたいと考える」と同氏は話した。
同国の公式ウェブサイトによると、国民になるのに居住していることや入国することは必要ない。身元調査を受け、40万ドルの不動産投資(5年経過後に転売可能)か、返金不可の25万ドルの寄付をするだけでよい。ウェブサイトでは太字で、このことが分かりやすく「本人が直接訪れる必要はありません」と説明されている。
しかし、中国の金持ちらにはこれも難しい。政府規制のために年5万ドルを超える額の海外送金ができないからだ。セントクリストファー・ネビスの国民になるためには友人や親類を総動員して少額ずつを送金するしかない。「ビットコインを使えば全て解決だ」とバー氏は説明する。

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